PROJECT
STORY
プロジェクトストーリー

02
セントラルゲートウェイ事業

日本初となるセントラルゲートウェイ開発を、勝ち取れ。

勝率は、ほぼゼロ。命運をかけて闘い抜いた仲間たちの、大逆転ストーリー

自動車というのは、多くの車載制御ユニット(ECU:Electric Control Unit)が車載LAN(CAN:Controller Area Network)に接続され、互いに通信することで車両制御を行う仕組みになっている。しかし近年、自動車の高機能化に伴いECUが増加。多くのネットワークを形成し続けてきた結果、車両の通信設計が複雑になっていた。それを解消するため、数年前から欧州で先行搭載されている「セントラルゲートウェイ」を日系自動車メーカーで初めて採用することになり、開発・生産に住友電装が見事選ばれたのだ。いかにして世界の強豪と対等に競い、勝ち取ることができたのか。全力でやりきった仲間たちのプロジェクトストーリーを、紹介しよう。

PROJECT STORY 01

電子制御化が進む自動車にとって今後なくてはならない重要な製品開発が、いよいよ日本で動き始める。

自動車にはボディ系・安全系・情報系など、さまざまなECUが搭載されている。搭載量の多い車では100個にも及ぶECUが使用されているほどだ。これらECUを各系統に分け、すべて中心に繋げてデータをコントロールするのがセントラルゲートウェイである。それが、いよいよ国産車にも導入されることになり、その開発・生産を担うメーカーが最終的に3社まで絞られた。選ばれるのはたった1社。しかも、ライバルの2社はすでに欧州で生産実績もある世界大手の自動車部品メーカーと、ECU開発実績の豊富な日本の自動車部品メーカーだ。誰が見ても、そのどちらかに決まるだろうという予想。住友電装にとって、非常に厳しい闘いのはじまりとなった。

PROJECT STORY 02

ゲートウェイ事業の存続と、大幅な売上増加。コンペ勝利に向けた闘志の裏側にある、大きなプレッシャー。

住友電装では、これまで従来のゲートウェイ開発実績があったものの、ピーク時で月3万〜4万台あった生産が時代の流れとともに徐々に落ちてきていた。このままでは住友電装のゲートウェイビジネスをクローズしなくてはならないかもしれない。危機感が部内に流れ始めた矢先、最終プレゼンのチャンスがやって来た。自動車メーカーにとって、今回の部品は新プラットフォームとなる重要な製品になるに違いない。今回受注を決めることで、搭載車両の拡大により大幅な売上増加が見込めるだろう。また、自社のハーネスビジネスにも寄与できる。「これに賭けるしかない。」集められたメンバーの誰もが、そう思った。

PROJECT STORY 03

目指すは、小型化とコスパ向上。どちらの条件も叶えるための、あくなき挑戦が始まる。

住友電装にしか作れないセントラルゲートウェイを開発するため「徹底的に小型化すること」「圧倒的なコストパフォーマンス向上」を掲げ、受注に向けての挑戦が始まった。自分たちで解決できない部分は、部署を超え、拠点を超え、何度も何度も打ち合わせをした。テクニカルプレゼンに向け、70ページを超える資料を1枚1枚並べ、お客様目線に立った完璧な資料になるまで構成を練り直した。そして、約4ヶ月にも及ぶ検討・準備を経て臨んだプレゼン当日。力を出し切り手応えを感じるメンバーに、お客様から「あのプレゼン、本当によかったよ」との声もいただいた。それから2ヶ月後…、「住友電装に決まった」という知らせが、メンバーに届いた。

PROJECT STORY 04

厳しい車載品質を確保しながら、現行品から27%の小型化と23%の軽量化を実現させる。

勝率がほぼゼロと予想されていたスタートからの、大逆転劇。メンバーは皆、受注獲得の喜びを噛みしめていた。しかし、本当のスタートはここからである。改めてプロジェクトのキックオフをし、量産に向けた開発が始まった。途中、いくつもの難題が立ちはだかった。CANのチャンネル数が2chから6chに増えたことでECUが消費する電流値が上がり、発熱に頭を抱えることもあった。また、電磁ノイズにも悩まされた。関わる全ての仲間たちが総力を結集し、試行錯誤を繰り返しながら、とうとう完成。量産体制に入り完成した製品を目の前にして、言葉にならない達成感が皆の心に満たされた。「感無量、ですね。」受注決定の日から、3年の月日が流れていた。

PROJECT STORY - SUMMARY 電子事業本部が考えるこれから

グループ長

安川 博

電子事業本部 エレクトロニクス事業部

セントラルゲートウェイ事業を通じて考える、これからの自動車とは。

私たちの事業は、現在、次世代のセントラルゲートウェイも受注し、第二世代の開発が始まっています。第二世代に求められていることは、更なる高速化と車外との通信機能。例えば自動運転など、自動車が高度化・高機能化すればするほど、大容量高速通信が必要になってきます。そのためには、従来のCANからEthernetが入った、より早いセントラルゲートウェイの開発が急務ですし、車外との通信機能に関しては暗号化や認証など、情報セキュリティ強化にも対応した開発を進めなければならないでしょう。新しい技術をどんどん取り入れながら、さらに自動車を進化させていく。私たちの挑戦はまだまだ続きます。

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